カンニングの押し引き
最近はニュースでもカンニング問題が取りざたされており、そのあまりの騒ぎっぷりに報道に関してもやりすぎじゃないかという話をよく聞きます。
騒ぎっぷりが妥当かどうかについては難しいので分かりませんが、今回のカンニング事件を麻雀の押し引きに例えてみたいと思います。
カンニングすることで、カンニングがバレるかバレないかという抽選を増やし、試験の正答率を上げ大学への入学確率を上げる。
リーチに対して危険牌を切ることで、放銃する可能性を増やし、和了率を上げて順位上昇の確率を上げる。
ここでは
となっています。
入試には合格不合格の2つしか無いので順位上昇という言葉にしました。トップ率とか連対率、ラスらない率でもいいかと思います。また、麻雀は放銃してもまだゲームは終了しないのですが入試だとカンニングがバレるとその時点で終了、負けとなります。不聴罰符を払うと飛ぶぐらいの持ち点であったのならば、カンニングするしか無いという事になります。
カンニング成功しても合格するとは限らないし、危険牌が通ったとしても和了れるとは限らないというところが似ているかなと思って頑張って書いているのですが、掘り下げてみるとちょっと違うところもあるし結構めんどくさくなってきました。
世の中には「カンニングなんかしたことねえよ」という人が大半だと思います。つまり試験というのはカンニングというリスキーな行為をしないでもなんとかなるようになっているのです。が、麻雀で勝つためには基本的にはリスキーな行為の連続です。日常的にカンニングしている、しなければならないのです。
となるとどのような判断でカンニングする、危険牌を切るのかですが、基本的にはプラス要素「自分の打点と和了率」、マイナス要素「相手の打点と自分が切る牌の放銃率」を天秤にかけます。その結果プラス要素がある程度大きいと判断した場合に危険牌を切るのです。
ここで入試の話に戻りますが、プラス要素は「大学合格率上昇とその大学入学の価値」、マイナス要素は「大学不合格とカンニング発覚による社会的地位の低下、懲罰等」です。
こう考えるとマイナス要素、特に法的な部分が大きすぎるのでカンニングしない方が得と考える方が多いかと思います。これがなければ「どうせ問題分からないしカンニングでもするか」というカジュアルカンニングを容認してしまいますからね。
「カンニングしない方が得と考える方が多い」と書きましたが、つまり少なからずデメリットを上回るメリットが存在する条件があり、その条件を満たすことが可能な人間もいるはずです。
デメリットを少なくすればいいのです。
例えば
「俺は天涯孤独で残りの生活費もあと1年食っていけるかいけないかだ。高校出た後の進路も決まってない。収入を得る手段もない。けどここは一つ何もかも失う気で東大の入試を受けて万が一合格したら奨学金でもなんでも使って卒業まで頑張ってみよう。カンニングがバレてもムショ飯食えるし。」
なんて人間は多分メリットの方が大きいのではないかと思います。つまり人生飛び寸。窮鼠猫を噛む。追い詰められた人間は何をするか分かりませんしね。
そんなやついねえよ！と思いますが、そこまでメリットが大きくなくても受験生、特に浪人生というのは精神的に追い詰められている人も少なからずおり、正確な押し引きが出来なくなっている人もいるはずです。麻雀打っててもよくいます。そういう正確な押し引きが出来なくなっている人、そもそも出来ない人、正確な押し引きの結果カンニングした方が得だという人、っていうのは世に受験生が何人いるかは知りませんがその中に絶対に一定数いるはずですし、過去にもいたはずです。いました。
要するに何が言いたいかというと、分かりません。収まりが付かなくなってきました。要します。
法律によって罪に対する罰を決められていて、それが適量・適切とされていても、結局犯罪予定者にとってはリスクの数字が変わるだけでリスクリターンの計算式を解くのは変わりありません。そのうちもっとすごい犯罪も起こりそうだけどそれを防ぐ方法はないんだろうな、とか思ったりします。ということです。既にリスクを度外視した大量殺人とか起きてるか。
とはいえ世の人間が全てそんな計算式だけで犯罪を起こすか起こさないかを考えているわけではありませんので、つまるところ倫理教育です。もう倫理教育しかない。よつばとを読んだ方がいい。あれを読めば優しい気持ちになるから。
色々書きましたが入学＝順位上昇じゃなくて、入学＝和了で、生涯収入＝点棒、とかの方が良かったかもしれないです。もうちょっと上手いこと例えられそう。例えたかっただけなのに結局結論がまとまらない文章になってしまいました。
ところで、「カンニングしたくらいで報道で騒ぎすぎだろ」という意見は「跳ね満聴牌で親リーにワンチャンス押しただけで36000放銃は酷いだろ」みたいに聞こえます。もしバレてなかったらそ知らぬ顔して入学しているわけだし、バレたら最早何されてもしょうがないような気もします。
あなた…『覚悟して来てる人』…ですよね
人を始末しようとするって事は
逆に「始末」されるかもしれないという危険を
常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね…
とはいえ失敗したらもう終わりっていう考え方はちょっと一か八か過ぎるかもしれませんね。
